2021年で女性起業UPルームは開室15周年を迎えました。
開室2年目のフォーラム通信に、当時の女性起業UPルームの取組みや、女性起業家たまご塾を経てスタートした女性起業家さんを紹介する記事が出てきましたので、
記録のためにご紹介させていただきます。
表紙を飾っているのは女性起業家たまご塾第1期「食のい・ろ・は」さん。
両親が働きに出て帰りが遅くなっても、スナック菓子を食べるのではなく、自分でごはんを作って食べられる子に。包丁や火を使わず、キッチンばさみと電子レンジでできる料理レシピは、横浜市の小学校向け冊子にも掲載され配布されました。2007年当初。まさに「食育」の先駆けでした。
まだまだ、「起業って会社を興すこと?」という感覚の方も多かった当初。
起業したいと思った女性が、気軽に相談できたり、情報を得る場所はごく限られていました。
「起業するのに『なぜ女性に特化する必要があるのか』」と聞かれることも多かったです。
一方で、男性の混じった起業セミナーに出て、「そんなに小さく、儲からないこと」と言われて落ち込んだという方も多かったです。利益を得ること以上の目的を持って起業を志す女性の起業アイデアは、安心や安全へのこだわり、環境や持続性への配慮、心と身体の健康のために、次世代の子どもや高齢者、弱い立場の方や傷ついた方のために、など社会に必要だからというものも多く、コロナ禍でようやく社会全体がその大切さに気付き始める以前から、ずっと感性で、向かうべき方向をとらえていたように思います。
当時の初代 女性起業家たまご塾の塾長 株式会社グリーゼ 代表取締役 江島 民子さん(当時 こみやまたみこさん)は女性起業家たまご塾のカリキュラムの基盤を作ってくださいました。
ビジネスプランとインターネットを活用した売れるしくみ、この両軸があって女性の起業はうまくいく。前期の「事業プラン完成コース」と後期「IT活用販促コース」の2本立ては、今も踏襲されています。
みっちりサポートする「女性起業家たまご塾」への当時の参加者の方にはビジネスへのモチベーションが高い方も多く、15年経った今でもビジネスを継続されている方も多くいらっしゃいます。
一方で、ワークライフバランスを大切にしながら、自分のペースで起業にチャレンジしたいという方もいらっしゃり、たまご塾以外にも、単発セミナーなどでスキルを伝えていくようなスキルアップセミナーを開催していました。
時代が進んで、副業を認める会社が増えたり、気軽に発信できるSNSの利用が進んだりで、個人が自分をアピールすることで収入を得る手段は増えたり、女性が収入を得る方法も多様化してきました。
それと共に起業のスタイルも多様化しているように思います。
起業という働き方に何を求めるか、それにより起業への道のりも違ったものになっていきそうです。
誰かに教わる「起業の方法」に頼るのではなく、社会のニーズをキャッチしつつ、自分はどう生きたいのかの問い直しの中で自分の中に答えを見つけていくことが必要になってきていると思います。